能面
Noh mask
能で用いる仮面。ヒノキで打つのが一般的で、能楽師は「面(おもて)」と呼び、神や鬼、亡霊、老人、女性の役でかける。
01概要
日本の古い仮面に、612年に百済の味摩之が伝えたとされる伎楽の面がある。後頭部まで覆う大型の面で、鼻が高い。続いて伝わった舞楽の面は、それより小さい。能面の創作は南北朝時代に始まり、室町時代後期から安土桃山時代にかけて面の種類が出そろった。この時代の面は「本面(ほんめん)」と呼ばれ、のちの能面の規範となった。江戸時代、能は幕府の式楽となり、大名たちは古面や名品を競って集め、本面を面打ちに写させた。新たな創作はあまり行われなくなり、「写し」と呼ばれる模作が中心になる。写し方は徹底していて、鑿の跡や細かな傷、彩色の剥落まで写したものもある。舞台では、現実の壮年の男性の役は、面をかけずに素顔(直面(ひためん))で演じるのが原則である。女面は微妙な「中間表情」をもつとされ、面をわずかに上に向ける(照らす)か、下に向ける(曇らす)かで、観客から見た表情が変わる。狂言は基本的に素顔で演じるが、特殊な役では狂言面を用いる。静嘉堂@丸の内の「THE MASKS」は、加納鉄哉による伎楽面の模作や、新発田藩主・溝口家旧蔵の能面群を通じて、古い仮面に魅かれ、蒐め、模した人々のまなざしをたどる。
02会場で
面の前で少し身をかがめたり、背筋を伸ばしたりして、見る高さを変えてください。面の表情は変わって見えるでしょうか。
キャプションの用語と英語
- 能面
- Noh mask
- 面(おもて)
- Omote (actors' word for a mask)
- 本面
- Honmen (original masks of the Muromachi period)
- 写し
- Utsushi (copy)
- 伎楽面
- Gigaku mask
- 直面
- Hitamen (bare face)
- 狂言面
- Kyōgen mask
03メモ
この面は、だれの顔でしょうか。生きている人か、亡霊か、鬼か。