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侘び寂び

Wabi-sabi

簡素さや不足のなかに心の充足を見いだす「わび」と、静まり枯れたもののなかに深い趣を見いだす「さび」。ともに中世以降に育った美意識である。

01概要

「わび」は、気落ちする意味の動詞「わぶ」から来た言葉で、『万葉集』では、実らない恋の苦しみを表した。やがて、世俗を離れた簡素な暮らしに風雅を感じる心が生まれ、中世には禅宗の影響もあって、満月よりも雲間にかすむ月が好まれるようになった。わびは茶の湯と結びついて育ち、武野紹鷗は「正直におごらぬさま」と言った。紹鷗や千利休のわび茶は、単なる貧しさではなく、粗末なものを見事な名物と対照させることで、名物のより深い美を引き出した。「さび」は、閑寂枯淡のなかに奥深く豊かなものが感じられる美である。松尾芭蕉が動詞「さびる」を名詞として捉え、俳諧の理念の一つとした。二つの言葉は近い趣をもつが、それぞれに来歴がある。

02会場で

茶道具の展示では、何が何の隣にあるかに注目してください。素朴な日用の品が、見事な名物と並んでいることがあります。

キャプションの用語と英語

侘び
Wabi
寂び
Sabi
侘び茶
Wabi tea
不足の美
Beauty of lack (fusoku no bi)

03メモ

わびは、ただの貧しさではなく、不足のなかに心の満ち足りを見る美意識です。

素朴に見えるのに、つい見入ってしまったものはどれですか。

04関連