解説カード一覧
すべてのカードを、都市と種類ごとに並べています。
美術運動 22
- 民藝 Mingei1925年に柳宗悦らがつくった言葉。無名の職人が日々の暮らしのためにつくった品と、そこに美を見いだす運動を指す。
- 洋画 Yōga1870年代からヨーロッパより日本にもたらされた油彩画(西洋画)と、日本の画家がそれによって描いた作品。
- ルネサンス Renaissance1400年頃にイタリアで生まれ、15〜16世紀にヨーロッパ各地へ広がった、古代ギリシア・ローマの美術を土台とする美術。
- 崇高 The sublime巨大なもの、果てしないもの、人を打ち砕くほどの力を前にして生じる、畏れの混じった強い感情。18世紀の哲学者たちが「美」と区別して論じた。
- 路上観察 Street observation街を歩き、都市や自然が意図せずに残した奇妙なありさまに目をとめ、記録して、少しのおかしみをもって眺めること。
- ジャポニスム Japonisme十九世紀後半、日本の浮世絵や工芸品がヨーロッパに渡り、西洋の芸術家たちがその構図や色づかいに学んだ潮流。
- フォーヴィスム Fauvism20世紀初頭のフランスで生まれた、目に見える色にとらわれず、強い原色と自由な筆触で描く絵画の傾向。
- シュルレアリスム(超現実主義) Surrealism夢や無意識にあらわれるイメージを通して、現実そのものを問い直そうとした芸術運動。1924年、パリでアンドレ・ブルトンの宣言によって本格的に始まった。
- 印象派 Impressionism1870年代のパリで生まれた絵画の運動。屋外で描き、混ぜない色を短い筆触で置いて、光と空気の一瞬の姿をとらえようとした。
- ロココ Rococo1730年代にフランスで生まれた装飾様式。流れるような曲線、非対称、淡い色を特徴とし、室内装飾から衣装にまで及んだ。
- 制度批判 Institutional critique美術館や画廊といった芸術の制度そのものを主題にし、その仕組みや資金の出どころを問う芸術の実践。
- キュビスム Cubism1907〜08年ごろ、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックが生み出した絵画の様式で、ひとつの対象をさまざまな方向から見た姿を1枚の画面に収める。
- アール・デコ Art Deco1920〜30年代に家具や工芸品、建築で広まったデザインの様式で、幾何学的な造形を特徴とする。
- バロック Baroque17世紀の美術と建築を代表する様式。ローマで生まれ、躍動感と劇的な表現、写実的な描写を特色とする。
- 抽象表現主義 Abstract Expressionism1940〜50年代に主にニューヨークで描かれた抽象絵画の一群で、絵そのものに感情を担わせようとした。
- フルクサス Fluxus1960年代初めから活動した、前衛的な芸術家と作曲家のゆるやかな国際的なネットワーク。芸術を日常の生活と溶け合わせようとした。
- ポスト印象派 Post-Impressionism印象派のあとの時期にフランスで活動した画家たちの呼び名。ふつうはセザンヌ、ゴーギャン、スーラ、ゴッホの4人を指し、それぞれが絵画を別々の方向へ進めた。
- ロマン主義 Romanticism1780年ごろから1830年ごろに最盛期を迎えた、美術と文学の動き。古典的な抑制より、感情と個人の表現を前に出した。
- バルビゾン派 Barbizon school19世紀半ばごろ、パリ南東のフォンテーヌブローの森のはずれにあるバルビゾン村とその周辺で制作し、風景と農村の暮らしを描いた画家たちのゆるやかな集まり。
- 写実主義(19世紀) Realism (19th century)19世紀半ばに起こった動きで、なかでもクールベの名と結びつけて語られる。農民や労働者、街の通りなど、同時代の身近な暮らしを、見たままに近い描き方で取り上げた。
- 新古典主義 Neoclassicism18世紀半ばから19世紀半ばまでのヨーロッパとアメリカの美術・建築で、古代ギリシャ・ローマを手本にした流れ。
- 近代建築(モダニズム建築) Modern architecture歴史的な様式や装飾を退け、ガラス・鉄・鉄筋コンクリートといった工業材料を用いて機能から建物を組み立てた、20世紀の建築の潮流。
伝統 26
- 浮世絵 Ukiyo-e17世紀から19世紀にかけて日本で流行した、当世の風俗を描く絵。その多くは木版画である。
- 茶碗 Tea bowl茶の湯で抹茶を点て、飲むための碗。産地によって唐物、高麗物、和物と呼び分けられる。
- 日本画 Nihonga明治期、ヨーロッパから来た油彩画と区別するために生まれた呼び名。多くは岩絵具や墨を膠で用い、絹や和紙に描く。
- 墨蹟と頂相 Bokuseki and chinsō (Zen calligraphy and portraits)禅寺に伝わる二つの宝。高僧の自筆の書(墨蹟)と、禅僧の肖像(頂相)。
- 少女漫画 Shōjo manga思春期の少女と若い女性を読者とする日本の漫画の分野。伝統的に専門の漫画雑誌に掲載されてきた。
- サロン(官展) The Paris Salonフランスの美術アカデミーがパリで開いた、審査によって作品を選ぶ公式の美術展。十九世紀の画家の多くは、ここに入選して名を知られた。
- 方丈の庵 Hōjō hut一丈(約3メートル)四方の小さな住まい。鎌倉時代のはじめ、鴨長明はこの広さの庵に住み、『方丈記』を書いた。
- 美人画 Bijinga (pictures of beautiful women)女性の容姿や内面の美しさを主題にした絵。日本で生まれた呼び名で、江戸時代の浮世絵の流れをくむものが多い。
- 円山・四条派 Maruyama–Shijō school江戸時代中期の京都で、円山応挙と呉春から始まった画派。写生を重んじ、近代京都の日本画へとつながった。
- 作善と装飾経 Merit-making and decorated sutras救われるための善い行い(作善)として、経を書き写し、飾り、納めること。その中から、料紙や表紙に美を尽くした装飾経が生まれた。
- 源氏絵 Genji-e (Genji pictures)『源氏物語』を題材にした絵。絵巻に始まり、色紙絵、扇、屏風、版本の挿絵、浮世絵へと形を変えて描き継がれた。
- 能面 Noh mask能で用いる仮面。ヒノキで打つのが一般的で、能楽師は「面(おもて)」と呼び、神や鬼、亡霊、老人、女性の役でかける。
- 雛人形 Hina dolls3月3日の雛祭りに飾る人形。多くは男雛と女雛の婚礼をかたどったもので、衣装や調度は公家風である。
- 挿絵・イラストレーション Illustration (sashie)本や雑誌、新聞、楽譜など、印刷物のために描かれた絵。日本では「挿絵」と呼ばれ、1950年代後半から「イラストレーション」の呼び名が使われるようになった。
- 女性服のシルエット Women's fashion silhouettes女性服の輪郭は時代ごとに大きく変わった。その違いは、ウエストの位置とスカートの広がりに表れる。
- トリエンナーレと芸術祭 Triennials and art festivals数年ごとに開かれ、作品が都市や地域の各所に点在する大規模な現代美術の展覧会。三年に一度のものがトリエンナーレ。
- 西洋の風景画 Western landscape painting大地や水、自然の要素が画面の主役となる絵画。西洋美術の主要な主題のひとつ。
- ギリシア・ローマ神話 Greek and Roman myth in artギリシア・ローマの神々や英雄の物語。西洋の絵画と彫刻で長く描かれてきた主題。
- キリスト教図像 Christian iconographyキリスト教美術に繰り返し現れる人物・場面・しるしの体系。誰が、何が描かれているかを伝える。
- 茶の湯 Chanoyu (tea ceremony)抹茶を点てて客をもてなす、日本の喫茶の作法。茶室も道具も亭主の心づかいも、その場の一部になる。
- 侘び寂び Wabi-sabi簡素さや不足のなかに心の充足を見いだす「わび」と、静まり枯れたもののなかに深い趣を見いだす「さび」。ともに中世以降に育った美意識である。
- 狩野派 Kanō school室町時代中期から江戸時代を通じて続いた、日本絵画史上最大の画派。幕府の御用絵師として、中国風の水墨に大和絵の彩色を合わせた画風を築いた。
- 琳派 Rinpa school江戸時代の装飾的な絵画・工芸の流派。俵屋宗達と本阿弥光悦に始まり、尾形光琳が大成した。血筋ではなく、のちの世代の私淑によって受け継がれた。
- 大和絵と絵巻 Yamato-e and emaki大和絵は、中国的な主題の唐絵に対して、日本の風景や風俗を描いた絵。絵巻は、詞と絵を交互に並べて物語を展開する巻物で、多くは大和絵の画風で描かれる。
- 漫画 Manga軽いタッチの簡潔な線で、笑いや誇張、風刺を描いた絵。また、絵を並べ、たいていはせりふを添えて物語を進める表現。
- 仏像 Buddhist statues (butsuzō)仏教の尊像のことで、多くは立体の彫像を指す。本来は如来(仏)の像をいうが、一般には菩薩・明王・天部の像も含め、四つのグループに分けられる。
技法 20
- メディアアートとビデオ・アート Media art and video artテレビ、ビデオ、コンピューター、センサーなど、電子・デジタルのメディアを素材とする美術。
- 近現代の彫刻:量塊から空間へ Modern sculpture: from mass to space20世紀以降の彫刻。彫ったり盛り上げたりした塊だけでなく、さまざまな素材を組み立て、まわりの空間や光まで作品に含める立体。
- 染めと織り Dyed and woven patterns布の模様には二つの成り立ちがある。織るときに色糸で織り出すもの(織り)と、織り上がった布に染めたり摺ったりするもの(染め)。
- 切子 Kiriko (Japanese cut glass)ガラスの表面を削り、磨いて文様をあらわす、日本の手彫りのカットガラス。江戸時代後期に生まれた。
- 写真 Photography光を記録して像をつくること。写真家は一枚ではなく、何枚もの写真を組み、写真集や雑誌、写真展で発表することも多い。
- 銅版画(エッチング) Etching (copperplate print)銅などの金属板に線を刻み、そのくぼみに詰めたインクを紙に刷り取る版画。線を酸で腐食させてつくる技法をエッチングという。
- インスタレーション Installation Art壁や台座に置かれるのではなく、空間全体の感じ方を変え、観客がその中に入っていく立体の作品。
- 参加型アート Participatory art鑑賞者が作品づくりに直接かかわり、出来事の一部になる美術のあり方。
- 木版画 Woodblock prints木の板を彫ってつくる版画。彫り取った部分は紙に残らず、盛り上がった面だけがインクを受けて刷られる。
- 見立て Mitateあるものを別のものになぞらえて表す方法。和歌や俳諧、芸能、庭園、絵画などで使われてきた。
- 彫る漆(彫漆・沈金など) Carved lacquer漆の層や漆の面に刃物で彫りを入れて文様をあらわす、漆工の技法の総称。
- 書(中国の書) Chinese calligraphy毛筆と墨で漢字を書く芸術。筆の運びや速さ、筆圧が刻まれた線そのものを見る。
- 素描(デッサン) Drawing and sketchingインクや鉛筆、木炭、チョークなどで、おもに線によって画面に像を表すこと。濃淡をつけた面や、薄く溶いた絵具を塗り広げた部分を含むこともある。
- 水彩画 Watercolour顔料を水溶性の展色剤で練った絵具を、水で溶いて描く絵画。半透明なので、紙の白さが透けて見える。
- 寓意画と象徴 Allegory and symbolismある主題を、別の主題に託して示す表現。人物や事物が、徳や正義、愛といった観念を表す。
- インダストリアルデザイン Industrial design機械で大量に作られる製品のデザイン。作られる前に、製品の形と使い勝手を決めること。
- 屏風 Folding screens (byōbu)木の枠に紙や絹を張り、折り畳めるようにつないだ調度。風を防ぎ、部屋を仕切り、絵を載せる。左右一対で作られることが多い。
- アニメーション Animation静止した絵や人形を少しずつ変えながら次々に素早く見せ、動いているように感じさせる表現。
- パフォーマンス・アート Performance art作家やほかの参加者の行為によってつくられる作品。その場で行われることも記録されることもあり、即興のことも、あらかじめ台本があることもある。
- 仮名の書と和様 Kana calligraphy and wayō平安時代以降に育った、仮名を中心とする日本の書。連綿や散らし書きで、装飾した料紙に書かれる。
作品 4
- 松方コレクション Matsukata Collection松方幸次郎が1916年からヨーロッパで買い集めた美術品。1959年にフランスから寄贈返還された作品が、国立西洋美術館の基礎となった。
- 正倉院宝物 Shōsōin treasures奈良・東大寺の倉「正倉院」に伝わる約9000件の奈良時代の宝物。聖武天皇が生前に愛用した品々が中心になっている。
- 世界図 World maps知られている世界を一枚に描いたもの。描き手がどこまで知っていたか、どこを中央に置いたかが、そのまま図に残ります。
- 動植綵絵 Colorful Realm of Living Beings伊藤若冲が動物や植物を鮮やかな色で描いた、30幅からなる連作。
展覧会の見方 6
- 平常展と特別展 Permanent and special exhibitions平常展は美術館自身の収蔵品を見せ、特別展は決まった会期に開かれる。
- キャプションの読み方 Reading a wall labelキャプションは、作品が何で、何でできていて、館がどう入手したかを伝える。
- 回顧展 Retrospective exhibitions回顧展は、作家の活動の各時期にわたる作品や資料を集め、仕事の流れを複数の角度から見る展覧会です。
- キュレーション Curatingキュレーションとは、作品や資料の展示を構成し、来場者のためにそれを解釈する仕事です。
- 借用作品 Loans借用作品とは、所蔵機関から、ほかの展覧会や展示のために貸し出された作品のことです。
- 国宝と重要文化財 National Treasures and Important Cultural Properties日本では重要な有形文化財を重要文化財に指定し、その中でも特に価値の高いものを国宝に指定します。